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その日は朝早くから大蛇さんの家に集まる事になっていた───。
予定の集合時間にはまだ余裕があるが…
俺は早めに家を出て向かう。
家の前に着き
一度、深呼吸をしてから
チャイムを鳴らそうと手を伸ばしボタンにあと数㎜と言うところで
ガラガラと引き戸が開いた─────。
驚きに目を丸くして
そちらに目をやると
「お待ちしていましたよ。鬼崎くん。さぁ、中に入ってゆっくりしてください。」
ニコリと微笑む大蛇さんの姿があった─────。
(………見られてたのか………?…)
何とも言えない恥ずかしさにぽかんと固まってしまったが、軽く溜め息を吐いて
(まったく………)
「お、お邪魔します……」
守護者の最年長と言う事もあって余裕の笑みに余裕の態度のままの大蛇さんにちらりと目をやってから
招かれるがままに家の中にへと入って行った──。
広々とした家の中は
しぃんと静まりかえっている。
「まだ皆は来てないんすか?」
靴を脱ぎながら、あまりの静けさに問うと
「いえ…既に来られている方も居ますよ」
「居るんすか?……にしては……静かすぎません?」
「まぁ………」
そこで一度大蛇さんは言葉を止めて
「…ふふ…気になるのでしたら居間に居ますので、先に上がっててください。私はお茶の用意をしてきますので…」
そう笑顔で答えて台所の方にへと姿を消したのを見送り
俺は言われた通りに居間にへと向かった……。
居間の前に着いた時
中から微かに話し声が聞こえるのを確認して
ゆっくり襖を開けると同時に
いつもの様に
「失礼します」と軽く詫びて中に入った。
すると…
中に居た二人から同時に
視線が自分に向けられた。
が────
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