#3.5、居場所。

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「……………へ?」 珠紀の言葉に 驚きを隠せず固まってしまった。 お……おみ……さん? (今、大蛇さんって言ったか?こいつ……?) まさかの守護者最年長の裏切り─────。 緊急事態発生だ。 だらだらと嫌な汗が身体中から吹き出てきやがる中─ 「私が元気無かったから、拓磨が提案してくれたって聞いて……心配掛けてごめんね?本当に有難う!」 何度もペコペコと頭を下げて礼を言ってくる珠紀の言葉が耳に入らない。 何の為の極秘任務だったんだ? この状況は俺、痛々しすぎないか? あぁ─────穴があったら入りたい。 切実に入りたい。 (尾崎………頼むから俺の為に穴を今すぐに 掘ってくれ…………!) と、現実逃避したい気分だが、出来る状況でも無いのが悲しい現実だ。 それにバレてしまったのなら仕方ない───。 「あ………いや、俺も色々と落ち着かねぇ状況になってたし、お前や皆も…変な空気になっちまってたから、皆でパァーとやれたらなって思っただけで……別に…お前の為だけって訳じゃ……//」 自分の気持ちを素直に出すのは恥ずかしくて、余計なことまで付け足して言っちまう俺はどうしようもねぇ奴だが……それでも、お前は『有難う』って笑ってくれるから────。
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