#1、日常風景。

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「お…よう…お前ら!なんだ?仲良く3人で登校ってか?」 学校の門に入ったトコで 聞き慣れた声が聞こえ 3人同時に同じ方向に振り向くと そこには… 1つ先輩の真弘が立っていた。 「真弘先輩……おはようございます…」 真弘の姿を見た拓磨は 一気に気が抜けたように 呆れたような感じで 取り敢えず挨拶をし 「鴉取か……朝から最悪なメンツに出食わしやがる…」 独り言のように遼が呟きチッと舌打ちをした。 「なんだ…その…面倒臭いのに逢っちまったみてぇな面は………?」 真弘は眉間に皺を寄せ 拓磨達に詰め寄った。 「あっはっは…嫌だなー、真弘先輩…何言ってんすか?そんな事思う訳な」 「よく分かってんじゃねぇーか?自分でも自覚してんのか?ククク…」 拓磨の言葉を遮り 遼が嫌味たらしく言った。 「あぁーーー!狗谷てめぇっっっ!!!」 遼の言葉が勘に触ったらしく 真弘は本気で遼に殴り掛からんとしていた。 そんなこんなで ワイワイと騒いでいると  「朝から賑やかだな…お前達は…」 静かで落ち着いた声が聞こえ 拓磨と珠紀だけが 振り返ると そこには 真弘と同じく先輩の 祐一が立っていた。 「祐一先輩…!」 「おはよ…2人共…」 拓磨の呼び掛けにも マイペースな発言をし 暴れ回る遼と真弘の両者をただ黙って見つめる祐一。 そして… 「2人共…ほどほどにしとけよ?」 が……… 校内に響いたチャイムのお陰で声が消されてしまったのだった。
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