2月13日・朝

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* * * 「ハア……ゼィ……ハア……ゼィ……ハア……ゼィ……頼むよ~、頼むよ、無二く~ん」 階段の踊り場で力尽き、 崩れ落ちた市橋が亡霊のように唸った。 無二は心底、面白くなかった。 「なんで逃げるっかなあ?」 市橋が段上に両手足を投げ出してくたばったのを見て、 その腹を踏んでみる。 「やめろし。つーかアレは、ダメ……アレは」 「なんだよ? メガネの側に寄ったぐらいじゃあ、お前の眼鏡の度数は上がらんよ?」 「度数はいいからお前の知能の指数を上げろ、頼むから」 「あーゆー奴にはビシッと言ってあげんのが親切ってもんだし」
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