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再び僕が頷くと、彼はポンと頭を叩く。それだけで、何も言葉は紡がない。慰めの言葉とか励ましの言葉。きっと思いついた言葉はたくさんあっただろう。それでも彼は紡がなかった。
「それじゃあ、行くか」
僕は彼について行き、数多くのゴッドイーターが集まる組織、フェンリルの極東支部へと辿り着いた。彼に案内され、僕は支部長室へと通される。恐らく、僕の処遇についての話があるのだろう。
「ようこそ、フェンリル極東支部へ。私はヨハネス・フォン・シックザール。ここの支部長を努めさせて貰っている」
僕はペコリと頭を下げる。
「リンドウ君、君は戻ってくれて構わない。任務続きで疲れているだろう」
「御言葉に甘えるとするか。それじゃあ、後でな、少年」
リンドウ、と呼ばれた彼は僕の肩を軽く叩いて、支部長室を後にした。
「早速だが話を始めるとしよう」
シックザール支部長はそう言うと、手元にあったパソコンを起動する。すると画面が僕の前に出現し、そこには僕自身のデータが記されていた。慎重やら体重やら、基本的な物から適合率、という訳のわからない数値まで。
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