揺れる灯火

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「ほぅ…素質は充分か。私は君に選択肢を与えよう。神に抗うか、我々を信じて比較的安全な居住地で明日を信じるか」 神、に抗う。僕にはすぐにその意味を理解する事が出来た。ゴッドイーター。神を以て神を狩る者。先程助けてくれたリンドウさんのように。正直に言えば、自身が無かった。が、これ以上何もせずに明日を待つ事だけは絶対に避けたかった。大切な人を失わないために。 「抗います。守るために」 僕がそう言うなり、シックザール支部長は笑みを浮かべて、「君ならそう言うと思っていたよ」とまるで全て分かっていたかのように呟く。 「さぁ、早速結合テストを始めよう」 それから、僕はゴッドイーターになった。極東支部では訓練だけ。リンドウさんと何度か実地演習を行い、僕が正式に配属されたのはロシア支部だった。そこで、アンリに会って、二人だけの部隊として神を喰らい続けて来た。そして、これからも。僕らは終わりの見えない戦いを続けるしか出来ないのだから。
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