動き出す歯車

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 目が覚める。真っ白い天井が見える。周りを見渡すと僕が寝ているベッドを真っ白いカーテンが囲んでいた。久しぶりの医務室だ。どうやら、無事にロシア支部に戻る事が出来たらしい。 「アンリは…」 体を起こすと、全身に激痛が走る。当たり前だろう。アンリを守るためとは言え、無茶し過ぎたようだ。 「まだ起きんじゃねぇよ」 カーテンを開けて入ってくる青年。ツンツンとした髪型、赤いジャケット。見覚えがない。新人だろうか。腕にごっつい腕輪があるところを見ると彼もゴッドイーターらしい。 「君は?」 「ああ、自己紹介がまだだったか。俺はベイ=アルステッド。昨日からここ、ロシア支部に配属された唯一の新型だ」 新型。僕らの神機とは違い、近距離と遠距離2つの神機形態を持つ。それ故に新型と呼ばれ、状況に応じて様々な戦術を取る事が出来る。 ロシア支部のゴッドイーターは訓練を受けているあのアリサとかいう女性以外は皆旧型で、そのアリサも近々極東支部の方へ回される。そのため、うちの新型は彼が初めてとなる。 「僕は浅間シュウゴ、宜しく」 僕が手を差し出すと、彼は快く握ってくれた。どうやら悪い人ではないようだ。
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