ファーストコンタクト

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 覚えているのは、音。二度と聞きたくない、あのヒトすらも簡単に砕き、食されていくあの音。人喰いの神だなんて、僕らの世界に存在する神はどれだけ残酷なんだろう、と何度嘆いた事か。 「シュウゴ、もうすぐ現地につくわ」 僕の相棒の彼女が、僕らが乗っているヘリがもうすぐ戦場につく事を教えてくれる。気持ちを切り替えろ。僕らが相手にするのは神なのだから。僕は数回深呼吸をして、ぶっとい腕輪と繋がっている大剣、神斬りクレイモアをしっかりと握り締めた。これが、神に対抗する唯一の手段、神機。神を以て神を狩る、という訳だ。 「今回の荒神もヴァジュラよ。最近多いわね」 彼女は自分の神機であるスナイパー、ヤタガラスの整備をしながら溜め息混じりに呟いた。僕らが戦う相手、荒神は日々食した物を吸収し、進化していく。今回相手をするヴァジュラは荒神の中でも上位に位置する強敵。獅子のような姿に、素早い動きとパワー、更には高圧の電撃まで兼ね備えている。 「アンリ、疲れてる?」 僕は彼女の声から疲れを読み取った。彼女と同じ部隊になってもう一年も立とうとしている。それだけに、お互いの事はもう殆ど知り尽くしていた。
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