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「平気よ、任務に支障はないわ。ちょっと寝不足なだけ。心配ありがと」
彼女はにっこりと笑った。これから、生きて帰れるかどうかも分からない戦場に赴くというのに。とまぁ、正直僕もそこまで怖くも無ければ焦っても居ない。ヴァジュラは彼女と一緒に何匹も狩って来た。安心、とまではいかないが、彼女と一緒ならば保証がなくても落ち着いていられる。
「この任務終わったら休んでくれ。その間は僕一人でもやってみせるから」
自信はない。けど、彼女を失う事だけは絶対に避けたい。一緒に戦うなら、お互いに万全の状態でいたい。生存率を少しでも上げるために。それに彼女は、僕にとっては唯一の部隊員でありリーダーであり、そして、信頼の置ける仲間だから。
「そう、ね。たまには甘えさせて貰おうかしら」
「ああ。そのためにもさっさとヴァジュラ倒して戻ろう」
ヘリは雪に埋もれた廃墟へと着地。忘却の雪原。僕ら神機使いのアナグラ、ロシア支部の先にある言わば最後の砦だ。ここを荒神に突破されたらロシア支部は終わりだと言っても過言ではない。僕らはヘリから降りて、雪の上へと降り立った。
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