ファーストコンタクト

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「…どうやら、ヴァジュラだけじゃないみたいね」 僕らが降り立った先を見据えて、彼女はポツリ呟いた。僕も彼女と同じ方を目を凝らしてみると、巨大な尾を持つ、オーガテイルの姿がはっきりと確認出来た。どうやら辺りを徘徊して餌を探しているらしい。 「私のヤタガラスで仕留めるわ。下がってて」 確かに、彼女の持っているスナイパーならば、かなり先に居るあのオーガテイルを狙い撃つ事も可能だろう。僕は彼女に言われたとおり、彼女の背後まで下がった。それと同時に彼女は引き金を引く。何方向にも分散した赤いレーザーがオーガテイルに向かって一直線に走る。レーザーがオーガテイルに直撃と同時に爆発。いきなりの砲撃にオーガテイルはバランスを崩して雪原へと寝転がった。彼女の攻撃は止まず、さらに引き金を引いてオーガテイルに追撃をかけ、動かなくなった事を確認する。 「相変わらず凄い命中率だな」 「まあ、ね。あら…」 聞き慣れた雄叫びが聞こえた。どうやら今の銃声でヴァジュラがこちらに気付いたらしい。雪が降り積もった廃墟の裏からヴァジュラが飛び出して来た。 「僕が突っ込むよ。適度に援護よろしく」 「オーケー。いつも通りにやるわ」
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