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「このグズ。早く起きなさい」 女に呼ばれて僕は黙って起き上がりそちらへ向かった。 「本当にグズね。どうして私の息子なのにそんなにグズなの。」 僕は何も答えない。 「どうして喋らないの。あんたも私を馬鹿にしてるのね。」 僕は目をぎゅっと瞑った。 バチン 右側頭部におなじみの衝撃が走る。 「あんたが悪いのよ。あんたが。」 そう言って女は泣いた。
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