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今は真夜中の2時。俺はあの白髪……ルークに紹介された依頼を遂行中だった。
『紹介された』と言ってしまったが、それだと少々語弊がある。と言うのもルークは情報屋ではなかったからだ。
あの後、情報屋と別れた俺は別な店でルークと話し合う事にした。情報屋は客を盗られてしまい少々落ち込んだ様子だったが、まぁ致し方ない。ろくな依頼を持ってないアイツも悪いのだ。
「それで…内容は?」
俺が尋ねるとルークは1度頷き説明を始めた。
今回盗むのは金品ではない。国民党所属のバートンという政治家が行った横領の証拠…それが今回のターゲットだった。
依頼者は自民党の党首、スーザン=ブレッダ氏だ。
最近、自由民主党は主義の違う国民党と激しく対立している。中でもバートンは過激派で、事あるごとに自民党に突っ掛かってくる。出来れば早急に何とかしたい存在だった。
そんな時に舞い込んできたのはバートンが横領を行っているという噂だった。自民党は力を尽くしその真偽を調査する。その結果、数ヶ月の努力の末、なんとか状況証拠を集めることができた。しかし、まだ決定打と言える証拠が無く、彼をどうにかするのは不可能だ。
そこで白羽の矢がたったのが俺達、怪盗だった。
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