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書斎の近くまでは最短ルートで向かう事ができた。今度はカメラを気にする必要がなかったからだ。
前もってルークが手に入れた屋敷の見取り図によると、書斎は次の突き当たりを右に曲がったところだ。もう目と鼻の先なのだが、突き当たりの手前で先頭のS-1が左手を少し挙げ、俺達に止まるよう合図した。
S-1は胸のポケットから小さな鏡を取り出すと、壁から少し出し書斎前の様子を写し出した。……警備員が2人、部屋の扉を挟み両側に立っている。中に大事なものがあると言っているようなものじゃないのか?
そんな事を考えていると突然S-1が前転で突き当たりから転がり出た。そのまま片膝をついた状態で素早く銃を構え警備員を撃つ。警備員は順番に床に倒れ込み、さながら瞬間芸の如き芸当を目の当たりにした。
S-1は書斎前まで走っていくと他に警備員がいないことを確認、俺達を呼ぶように手招きする。近くに行ってみて分かったのだがS-1が撃った弾は麻酔弾だった。なるほど、無駄な殺しを嫌うタイプか…仲良くなれそうだな。
さて、書斎の扉だが鍵がかかっている。カードキーや暗証番号の類いではなく普通の鍵なので俺の出番は無さそうだな。代わりにE-1はヤル気満々といった様子でピッキングツールを取り出した。
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