1.ルーク

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「今日も良いミッションだったな。それじゃあ報酬は3日後までには振り込んでおく。E-1とE-2はこれから俺と依頼者の所へ行く。その他は解散って事で。」 ルークがそう言うと皆溜め息をつきながらヘルメットを外す。そう、ミッションは完了したのだ。 あの後書斎の中に入った俺達は部屋の中を物色した。するとデスクの上にあったパソコンや戸棚のファイルからは証拠と言うのに十分なデータや書類が沢山出てきた。こんなもんなんでとっておくんだろうとか思ったが、まぁそれなりの理由があるのだろう。 無事データと書類をその場でコピーし、バートン邸から脱出。今は仮のアジトに帰ってきている。 俺とE-1は適当に身だしなみを整えるとすぐにアジトを出る。無論ルークも一緒だ。その時戦闘要員逹が「飲みに行くか?」などという話をしているのを耳にした。……いいなぁ。 数時間後、朝7:30。俺達はフランスのパリに来ていた。何でもブレッダ氏がこちらに来ているんだとか。 予め約束しておいたカフェに行くとブレッダ氏は既に来ていた。両サイドにはSPと思われる黒いスーツの男がいる。ブレッダ氏はSPとは対照的に白いスーツで、モーニングコーヒーを楽しんでいた。 俺達3人が同じテーブルにつくとSPが警戒体勢に入る。ルークはそんな事には構わず、証拠品の入った封筒をブレッダ氏に手渡す。 「……確かに。それでは指定された口座に報酬金を入金しますわね。」 封筒の中身を確認したブレッダ氏は手元のパソコンを操作する。俺は入金されたことを自分のパソコンで確認、ルークに伝えた。 「ありがとうございます、ブレッダさん。それで…もう1つお話があるのですが?」
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