10人が本棚に入れています
本棚に追加
「…何かしら?」
ルークの真剣な表情にブレッダ氏は一瞬息を呑んだ。「今回の依頼を公にされたくなかったら報酬を増やせ」などと要求されると思ったのかも知れない。そんな事したらこっちは刑務所行きなので心配無いのだが…。
「ブレッダさんは宝石やアクセサリーの収集家として有名ですよね?」
ルークの質問にブレッダ氏は「有名とまでは行かないけど少し集めているわ。」と少し謙遜したように答えた。
ブレッダ氏のコレクターっぷりはわりと有名だった。特にアンティークの指輪コレクションは目を見張る物があり、テレビ番組で何度か特集されたほどだ。
…まさか盗むんじゃないよななどと考えているとルークがポケットから何かを取り出した。指輪やイヤリングを入れておく箱のようだ。ルークはそれをブレッダ氏の目の前に置く。
「どんな些細なことでも構いません。それを見て何か分かることはありませんか?」
箱を開けると中には1つの指輪が入っていた。
「失礼、ちょっと拝見するわね。」
ルークの質問にそう答えるとブレッダ氏は手袋と眼鏡を取り出し、身に付けた。そして指輪を手に取り隅々まで見回した。
最初のコメントを投稿しよう!