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ビルに忍び込んだのは前回と同じ、ルーク、S-1、E-1、そして俺の3人だ。ていうかS-2、S-3は現場にすら来ていなかった。ルークいわくちょっと野暮用を言い付けたらしい。
そんなこんなでいざ突入。1つクラッキング出来なかったと言っても半数以上のシステムは俺の支配下だ。残っているのはフロア毎のロックだけなので、その都度解除していけば問題ない。警備員と出くわしてもこっちには瞬間芸でお馴染み、無敵のS-1がいるのだ。
数十分後、特に問題なく社長室前まで辿り着いた。途中3回ほど警備員に出くわしたが、S-1のお陰で無事切り抜けることができたのだ。
S-1て昔何やってたんだろう?と疑問を抱きつつ社長室のロックを解除する。ルークが少し難しそうな顔をしながらドアに手を掛けた。
ドアを開いて社長室に入る。中は思ったより殺風景だった。デスクと椅子、ソファが1つずつあり、部屋の四隅に観賞用の植物が置いてある。それだけだ。
問題はその『それだけ』であることだった。
「なっ……絵画が無い!?」
驚きの声をあげたのはS-1だった。そう、社長室の壁には絵画は愚かカレンダーすら掛けられていなかったのだ。
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