1.ルーク

16/21
前へ
/90ページ
次へ
絵画無い理由として考えられるのは情報屋の情報に誤りがあった、或いは情報が古かったこと。 「おい、下を見ろ!」 窓から下を除いていたS-1が叫んだ。見ると警察車両が次々とビルの回りを囲んでいく。 「だ、誰だ!この中に裏切った奴がいるんだろ!?」 狼狽えながらそう叫んだのはE-1だ。だいぶ混乱しているようだ。だが確かにその可能性もあるな。誰かにはめられた…つまり依頼自体が俺達を捕まえる罠だったって事だ。 俺達が動揺していると社長室のドアが開く。そして身長2mは軽く超していそうなスーツ姿の大男が部屋に入ってきた。 「3人共伏せろ!」 S-1がそう叫ぶと共にデザートイーグルを構える。明らかに仲間ではないし当たり前か。 S-1が引き金を引こうとした時、大男は右手に持っていたナイフを投げた。S-1は咄嗟にそれを銃でガードし、素早く構えて引き金を引く。しかし弾は発射されなかった。ナイフを弾いた際に不具合が起きたようだ。 S-1は舌打ちしながら銃を捨て、ナイフを取り出す。そして大男に飛びかかった。 大男が繰り出してきた右ストレートを避け、右手に持ったナイフを男に突き刺す。切り傷から血が溢れ出してくる。 しかし大男は全く動じずS-1に再び殴りかかる。S-1はナイフを引き抜き後ろに避けようとした。だが… 「!?」 ナイフが抜けない。強靭な筋繊維のがガッチリとナイフの刃を抑え込んでしまっているのだ。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加