1.ルーク

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背中の傷は戦士の恥と聞いた事があるが俺はそうは思わない。ある人を知っているからだ。 彼の名はルーク。ルーク=レグナ。髪は銀髪、常にブランド物の洋服に身を包みとても綺麗好き。 そして、彼は盗みのプロでもある。生き別れた両親の情報を得るためにこっちの道に入ってきたらしい。確かに俺達の情報網は半端じゃない……運が良ければきっと見つかるだろう。 話を戻すが驚くべきは彼の盗みのテクだ。運動神経抜群なうえ器用なので銃やナイフ等も扱える。 しかしそんな事はオプションでしかない。彼の本領はなんと言っても頭脳だ。知識は勿論、緻密な計画、現場での判断力、咄嗟の機転……何をとっても類い稀なほど高い水準にある。 そのせいかお宝や金には大して興味が無いように見えた。あくまで彼が好きだったのはスリルといかに美しく盗むか……盗むこと自体に魅入られているんだ。 何?何故俺がそんなに彼に詳しいかだと? ……実は俺は彼と共に仕事をしたことがある。無論盗みの仕事だ。弱きからは奪わずっていう彼のポリシーにも興味が湧いてな。その時の彼の盗みはまさに芸術だった。今でも鮮明に覚えている。 あの後の事も……。
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