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あぁ、そうか。私、あの空間に足を踏み入れて…
ここはどこなんだろう。少なくとも日本なのかな?
だってここは…
「…じんじゃ?」
鳥居に賽銭箱。ここはどう見て
も神社なのだから、日本じゃないとおかしいと直感で思った。
幸いにも、入るときに持ち忘れたはずの財布や携帯などが入った鞄がなぜか横に落ちていた。
とりあえず、神社に来たらお賽銭かな?
そう思って私は小銭を確認しt……
…500円玉しかねぇぇ
まぁ、いいか。勿体ないけど入れてしまおう。
「確か、入れてから、二礼二拍一礼だったかな。小銭は投げたら神様に失礼だったはずだし、そっと入れるのが正しかったはず。」
スッ…と流れるように小銭を入れてお参りをする慾織。
〈チャリーン〉
と小銭が一番下まで落ちた音がしてから鐘を鳴らしてしっかりと参拝している。
ガラッ、トットット
襖が開いたような音の後、誰かがこちらへ来る様な足音。
(神主さんかな?とりあえずお願い事をして、と。
・・・目の前からすっごく視線を感じるんだが…)
「よし、終わ、った?」
顔を上げるとそこには賽銭箱の向こう側でしゃがみこんで必死に中を見ている女の子が居た。
「…って、近いやろっ、っとわぁ!」
驚きのあまりバランスを崩し、後ろに倒れてしまった。
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