11人が本棚に入れています
本棚に追加
まぁ、少し意地悪するんだけど
「まぁ、そんなに広くないけどあがっていく?友紀以外」
『おじゃまさせてもらいまーす』
「ちょ、え、アキ、ひどくない?」
涙目になっている友紀。見ていて本当に飽きない。
「てか、いい加減名前くらいちゃんと呼んでくれない?」
「え、だってアキって呼びやすいし『慾』と『愁』って似てない?」
…自覚してたんだ。まぁ、実際彼は馬鹿じゃないんだけど、
友紀は学年で常に上位を取っていた秀才だった。大学もそれなりに期待されてたのに、
『大学?そうだなー、アキと一緒のとこでいいかな。』
って理由で普通の工学系の大学に私と一緒に推薦で受かった。
後で別のやつに聞いたことなんだけど、『俺、アキが一番大切だから、いまはあまり何も考えずにあいつと居たいんだ』とどっかで誰かに告白されたときに言ったらしい。
私にとってはただの変態にしか思えないんだが…
まぁ、とりあえず、
「友紀、…チョコケーキで許してやる。」
「甘いなアキ。すでに用意済みだ!」
さすが友紀、と言うべきなのか何なのか。
「そっちでずっと話してないで炬燵であったまろーぜー」
すでに家の中にあがりこんだ一人が言う。
相変わらず行動が早いな。
「って、もともとの目的忘れんなよお前ら!」
友紀が叫んだ。
「もともとの目的?」
私は、よく分からない、という風に聞いてみた。
「くーちゃんと一緒にカラオケで年越しアンド誕生日を祝おうぜ計画を立ててきたんだよ、友紀君は」
炬燵のぬくぬくとくつろいでる一人が言う。
「……いまからいくの?」
「アキがいいなら皆ついてくるんだぜ?」
「…じゃあ、カラオケいく」
少し恥ずかしくなって小声で言う。
一応、私は男なんだけどね
最初のコメントを投稿しよう!