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なんだかんだでカラオケに到着し、わいわいと過ごしている間に、時刻は11:50分になった。
「もうすぐ2010年かぁ」
「今年はなんかたのしかったよなぁ」
皆、口々に2009年の思い出を口にする。
「そういえば…友紀に会ったきっかけって些細なことだったよねぇ」
私はふと思い出したことを口にした。
「そうだっけか?」
「そうだよ。私が一人で本を読んでたときにさ…」
『君、何読んでんの?』
『小説だけど?』
『へぇ、面白いのあったら俺に貸してくれない?』
『何で初対面のやつに貸さなきゃいけないのさ』
『…まぁ、君が誰かと話したそうに見えたから、かな』
それが友紀との出会いだった。
「ねぇ、友紀。私さ、君に出会ってから変われたんだ。だから…ありがとうね」
「アキ…お前って本当にばかだなぁ。それ、初めてじゃないんだぜ?」
「え?」
「っと、もうすぐ0時だ。皆、クラッカーを持って準備しろよー」
なにやらはぐらかされたような気がして仕方ないが、まぁ、後で聞こう。
「十秒前!」
九、
八、
もうすぐ2010年。新しい年が始まる
七、
六、
そう思ってた
五、
四、
三、
二、
一、
「あけましておめでとう」
それを合図に、私の周りの時間が停止した。
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