11人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?皆どうしたの・・・?」
時が止まったのか、私がおかしくなったのか、わからずに、ひたすら声を出して皆に呼びかける。
「そうだ、時間は?」
11:59:59
見事に2009年の最後の瞬間に時が止まっていた。
「なぜ、こんなことがあるはずない」
『普通はそう考えるわよねぇ。』
どこからか女の声が聞こえる
『でも、貴方は分かっているはずよ。これが現実だってコト。』
嫌な見たことない映像が脳裏をかすめる。
『普通の人間ならよかったのにね。クスクス』
「やめて…それ以上思い出させないで」
耳を塞いでも頭に響く声。
『貴方はこの時間を何度も経験しているのだから。さぁ、自分のことが知りたいなら…』
目の前の空間が歪んで裂ける。
『こちらにきなさい。』
私は…
「…友紀」
ふと友紀の方を見る
そこには動かず静止したままの親友が居る。
《初めてじゃないんだぜ?》
その言葉の意味がもしかしたら分かるかもしれない。
私はその《スキマ》へと足を踏み入れた。
恐らく戻ってこれないだろうと察しながら。
『ようこそ、幻想郷へ』
最初のコメントを投稿しよう!