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…朝だ…。
窓から差し込む日の光を浴びて
俺は、目を覚ます。
「う~ん…
ま、まぶしい…」
俺は、布団を頭からかぶり
再び、夢の中へと…………。
その時
「紅くぅ~ん、朝ですよっ」
と、頭上から女の人の声が。
…ん?
アパートに一人暮らししてるはずなのに、なんで女の人の声が…?
しかも、全く聞き覚えの無い声だ…!!!
「…………誰!!!????」
俺は、そう言うと同時に勢いよく起き上がる!!!
すると…
「うわぁあああああああああっ!!!????」
なぜか俺の目の前に、見知らぬ若い女の人が!!!
しかも、どういう意味なのか分からないが
裸の体に、ピンク色のエプロン一枚のみを身に付け
まるで、俺を誘ってるかのような甘い瞳で見つめてくる。
そして、その女の人は
一言。
「朝ごはん、出来てるからねっ」
「……は、はい…」
俺は、反射的に当たり障りの無い返事をしてしまった。
女の人は、そのまま軽い足取りでキッチンへと向かっていった。
静かになった寝室で、俺は呟いた。
「……………虎の仕業だな…………」
虎、といっても
動物の虎ではない。
そう…
虎というのは……
金髪で身長が高くて、顔立ちは端正で女の人にモテモテで…
女グセが悪くて暴力的で、その上口も悪い、最低最悪な自己中野郎の虎だ……!!!!!
ベランダへ向かうと、鍵が付いている部分のガラスが割られいる。
「…アイツ…
今度はベランダから入ってきたのか…」
そう。
虎は、なぜかしょっちゅう俺のアパートを毎回無断で侵入してくる。
そして、気が付けばキッチンに置いてあるソファーで酒臭さを漂わせながら爆睡していたりする。
今日もきっと、アイツはキッチンを占領してやがるハズだ…!!!
しかも今日は、見知らぬ女の人まで勝手に入れて…!!!
俺は、怒りを込めた足取りで
ドカドカとキッチンへ向かって行った…!!!!
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