序章

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『――きて―――きてください――』 惰眠を貪っていた僕の耳に誰かの声が聞こえる。次いで、布団の上から身体を揺さぶられる感覚。 折角僕が心地良い睡眠に浸っているというのに、こんな非常識な真似をするのは一体誰だろうか。 蕩けている脳味噌で不快感を感じつつも、僕はもぞもぞと布団に潜り込む。勿論二度寝の為に。 どうせ僕を起こしにくる存在など、母親くらいのものだ。美少女が目覚めのキスで起こしてくれるならともかく、母親の声などで起きたくはない。これは全国の少年の共通見解だろう。
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