10年前

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ドーンッ 所内に設置された機械が次々と爆発していき、ついに二人の逃げ道はなくなってしまった。 「逃げ道が…」 「もう無理かもしれない…」 二人はその場で立ち尽くす。 「…彼方、ごめんなさい。私のせいで…」 「謝らないでくれ…だけど…大河には悪いことをしたな。」 彼方は諦めた表情を浮かべる。 「生き残れたら…三人で遊園地に行こうな…」 無理だと分かっていても、思い描かずにいられない夢。 彼方は湊をしっかりと抱きしめた。 「そうね…。」 二人の頭上の天井にヒビが入る。 湊は彼方の胸にしがみつく。 「…大河…ごめんね…お父さんとお母さん…一緒にいられない…」 小さな破片が舞落ち始める。 「…大河、強く生きろよ…」 二人が未来への願いを口にした時。 天井の塊が、二人の真上に落ちた。
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