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ドーンッ
所内に設置された機械が次々と爆発していき、ついに二人の逃げ道はなくなってしまった。
「逃げ道が…」
「もう無理かもしれない…」
二人はその場で立ち尽くす。
「…彼方、ごめんなさい。私のせいで…」
「謝らないでくれ…だけど…大河には悪いことをしたな。」
彼方は諦めた表情を浮かべる。
「生き残れたら…三人で遊園地に行こうな…」
無理だと分かっていても、思い描かずにいられない夢。
彼方は湊をしっかりと抱きしめた。
「そうね…。」
二人の頭上の天井にヒビが入る。
湊は彼方の胸にしがみつく。
「…大河…ごめんね…お父さんとお母さん…一緒にいられない…」
小さな破片が舞落ち始める。
「…大河、強く生きろよ…」
二人が未来への願いを口にした時。
天井の塊が、二人の真上に落ちた。
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