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星共同命疾患
穂乃香の病気にそんな名前が付けられたのは、オレ達がまだ六歳の時だった。
穂乃香は、生まれつき特殊だった。
穂乃香が傷つくと
必ず世界の何処かが壊れる。
穂乃香が転んで足を擦り剥いた。
その日、世界中の至るところで地震が起こった。
穂乃香が熱を出して寝込んだ。
その日、世界中で突然異常気象が起こった。
その異常気象は、穂乃香の熱が下がると同時に何事もなかったかのように過ぎ去っていった。
まるで、星と同じ命を持つ少女。
穂乃香が傷つけば、星も傷つく。
星が傷つけば、穂乃香も傷つく。
穂乃香はそういう少女だった。
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