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処遇本部の第1指導室。そこには、第1処遇主任と、数人の女性刑務官が待ち構えていた。
3人は、部屋に入り、横一列に並ばされた。
「それでは、配役先を言い渡す。55番、サダヤ・ヒノムラ。洗濯工場。192番、トシカ・ハラザキ。第8工場。以上。1番のシオン・ツキタカについては、別途言い渡す。では、2名、お願いします。」
新配役の2人は、そこに居た刑務官に連行されて、行ってしまった。
(まさか…やっぱり昼夜単独だったのかな…)
シオンの胸に不安がよぎる。
しかし。
「シオン・ツキタカ。君は図書工場へ行ってもらう。まだ君一人だけになるが、しっかりやりなさい。」
シオンは茫然とした。しかしすぐに刑務官に連行されて、処遇本部内の隅の一室へとやってきた。部屋のプレートには、「図書工場」の文字。
部屋に入ると、そこに居た女性刑務官に敬礼をして、連行してきた刑務官は行ってしまった。
「あなたがシオン・ツキタカさんね。洗濯工場から作業着と靴を持ってきてあるから、すぐに着替えなさい。あ、着替えは隣の書庫を使うといいわ」
その女性刑務官は、30前後の落ち着いた感じの人だった。
シオンは、隣の書庫で、いそいそと着替えを始めた。そして舎房着とサンダルを持って戻って来る。
「舎房着とサンダルは、そこのロッカーに入れて。用意ができたら解ってるわね?」
シオンは無言でうなづく。そしてロッカーへ荷物を入れると、その女性刑務官の前に立ち、帽子を取って一礼。
「報告します!図書工場1番、シオン・ツキタカ、本日より工場出役、お願いします!」
「よし!」
こうして、シオンの本格的な服役生活は始まった。
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