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「紗耶香?」
トントン、と肩をたたかれ我に戻った。
「えっ?何?」
「もしかして良い人見つかった?」
「そっそんなんじゃないよ!」
「またまたー!紗耶香が嘘付くときは、目が涙目になるもーん」
「っ…」
慌てて目をゴシゴシした。
「ほら図星ー」
帆乃花に笑われた。
「帆乃花ー!」
私は赤くなりながら笑った。
そして気が付くと時計は夜の11時を回っていた。
「帆乃花?」
「何?」
「私そろそろ帰らなきゃ」
「えーっもぉ?」
「もぉっていっても今11時だよ?」
「うっそ!もうそんな時間?」
「だーかーらー帰るの!」
「…わかったよ。気を付けてね。うちはこれからお父さんの手伝いしなきゃいけないから。暗いから痴漢とかあるかもよ?大丈夫?」
「大丈夫!その時はその時!」
「ふーん。じゃまた明日!」
「うんっじゃねー!」
私はパーティーを出て家に帰る。
幸いにも、痴漢は来なかった。
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