*-出逢い-*

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「このガム食べて良い?」 「どうぞ」 高倉君は笑った。 ガムの箱を開くと、一枚の紙が入っていた。 「これ、何?」 「えっ?」 「いや、えっ?じゃなくて」 「あぁそれか!俺のメアドと携番?かな」 私は紙を開いた。 中に書かれてる内容は高倉君の言う通り、メールアドレスと携帯番号だった。 「で……これどーすればいいの?」 「登録してくれ!」 「やだよ」 「何で?何で?」 「何でって今知り合ったばかりの人のアドレスなんか登録するの嫌だもん」 「じゃ、携帯貸して?」 「何で?」 「いいから!マジックしてあげる。」 そんな事を言われて、手に持っていた携帯を奪われた。 少し経って、携帯を返された。 「何も変わってないけど…」 「サンキュー!電話帳に登録したから!」 「えっ?私のを?」 ニコッと笑い、高倉君は空いてる座席に座った。 私も空いてる座席に座り、目標の駅に着くまで携帯をいじる。 ちょっとよくわかんない人だけど、明るい人だと思った。 ふと高倉君を見ると制服が自分の高校と一緒だった。 自分の高校、桜咲高校(サクラザキ コウコウ)通称サク高。 (どこの駅に止まるのかな?もしかして、私と同じ?) そんな事を考えた。
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