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そして一行が向かったのは、とある工場であった。
「そういえばあの世界から戻って来て、まだ一週間しか経ってないんですね」
工場の前で一旦立ち止まりながら、新八が言った。
「そーだな。アイツら元気にしてっかな?」
そう、彼らにとっては「闇の書」事件を解決し、あちらの世界で少し過ごして帰って来てからまだ一週間しか経っていないのだ。
向こうの世界では、既に10年もの歳月が過ぎていることなど知る由もなく、一行は中へと歩いていった。
工場の中では、とある装置の前で一人の老人が立っていた。
「来たか、銀の字」
老人は平賀源外。江戸一番のからくり技師であり、銀時達を異世界へと送る原因となる次元転送装置を作った男である。
その後ろにあるのが、原因である次元転送装置であった。
「よォ、また頼むぜ、ジーさん」
「任せとけ」
一行は装置の中に入った。
「おい、銀の字。中にレバーがあるだろ?」
「レバー?あぁ、これか」
「それを下に降ろすと……」
言い終わらないうちに、神楽がレバーを下げる。
「……出力が上がって機械が暴走し、何が起こるか分からんから気をつけろ」
「ジジィィィィ!!テメーそういうことは先に言いやがれェェェェ!!つーか、なんか真っ赤になってんぞ!?大丈夫なのこれェェェェ!?」
「ヘルペス!ヘルペスイズピーシー!!」
「ヘルプミーだよ神楽ちゃん!つーかヘルペスはピーシーってどーいう意味!?」
新八がツッコんだ瞬間、とてつもなくまばゆい光が三人を包んだ。
光がおさまり、源外が扉を開けると三人の姿は消えていた。
「まあ、銀の字なら大丈夫だろ」
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