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いや、人民を悪辣な資本主義のくびきから解放すると言った方が正しいか。
我ながら大した台詞だが、まあどっちも似たようなもんだ。
いや、しかし俺にはこの世界を捕るというのはあくまでもうわべで、実際は“戦争”がしたいのだということを自覚できていたのだがな
そして、俺はあの性格破綻者からこの世界についてさらに詳しい情報を求めた。
その話を聞き、それは確信に変わった。
この世界の連中は、ほとんど戦争などを体験していない、俺達の世界の人間よりも平和に浸っていたヤツらだった。
管理局という、他の次元世界を管理している組織があるが、それにしたってほとんど殺し合いなどしたことのない甘ちゃん集団だ。
俺は決心した。
次元転送装置を使い、元の世界に戻った俺は統制のとれていなかった超国家主義派をまとめ上げ、新たな指導者となった。
そして、俺はすぐさま準備に取りかかった。
スカリエッティに頼み、あちらの世界とこちらの世界を行き来できるゲートを作ってもらった。
このときばかりは、ヤツを天才だと認めざるを得なかったよ。
そして、移動作業は管理局の連中に気付かれないよう、細心の注意を払って行われた。
しかし、半数以上は元の世界に残すか、作業が終わったら戻すなどした。
元の世界でも、我々は戦わねばならない。
最終的な目的は、偉大なるソビエトの復活なのだ……
それはやはりあくまでも“うわべ”なのだがな。
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