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『神堂慶亮
・二宮真
・菊正宗瑞希
・新城区/廃ビル前
・23時50分10秒』
時刻はあと10分で0時になる
そろそろ街から人が消えつつあった
そんな中
慶亮、真、瑞希の三人は中央通りから大きくはずれた路地裏にある廃ビルの前にいた
「ほんとにここ?目の前のビル、これ、廃墟じゃん!」
真が納得いかなそうに声を出した
「住所はここであってるよ。でも変だなぁ。、真の言うとおり只の廃墟だ」慶亮の傍らで瑞希も困惑の表情を浮かべている
期待感が一気に崩れ落ちていく感じがした
「俺たち、騙されたのか!?」
真が声を荒げる
「それはないだろ、でもやばいな。そろそろ0時だ。監視ヘリが飛び始めたら捕まっちまう」
「どうするの!?
「まてって。それより待ってみよう。まだ時間は案内時刻じゃあない」
「それまで待つのかよ!」
「それしかないだろ。もう街に人はいない。店舗類もすでに閉まってる。時間まで……待ってみよう」
「……それしかないか。クソ!頼むからどうにかなってくれよ!」
真がちょうど神頼みし始めた頃、慶亮の腕時計の長針と短針が重なった
同時に街中にサイレンが鳴り響く
これから外出禁止を示す合図がでると同時に街中に小型の監視ヘリが飛び始めた
「遂に0時になっちまった!やばいな……、隠れろ!」
三人は急いであたりを見渡し、隠れる場所を探したそんな中慶亮の目に放置されたロッカーが目に入った
数はちょうど3個
「ロッカーだ!早く隠れろ!」
慶亮は叫ぶと同時に駆け出した
真と瑞希も走り出しどうにか3人は監視カメラに映らなくてすんだ
安堵する慶亮たちのロッカーの前を、小型の監視ヘリが音を立てて過ぎていった
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