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「『創園島』?」
慶亮は首を傾げる
聞いたこともない名前の島だ
「創園島について詳しい説明をいたしましょう。
まず創園島は、世界一のリゾート地を作り出すプロジェクトの現場です。
今まで何も特色がなかったこの島は最近の地質調査により豊富な地下資源が埋蔵されていることが判明し、本土の大企業と国の威信をかけたリゾート化計画がスタートされました。
あらゆる企業がこのプロジェクトに参加し、プロジェクトの規模の巨大化、リゾート利用者も五百万人を突破。
すべてが順調に進み、島の五分の三が開発される頃、島民のデモが発生、衝突が起きました。さらに作業員が夜、得体のしれない物体を見たことや、島の風習である、一日四回島に響き渡る不気味なサイレンなど、負の要素があったものの計画は続行中………
というのが現在の創園島の状況です」
「なんか滅入るような設定だな」
真が愚痴をこぼす
「あなた達四人はこの島に、「大学に編入する生徒」という設定です」
「待って、大学生って……この島で大学生活でもするの?」
「いえ、あなた達のゲームクリア条件……、それは『創園島よりの脱出』です」
「はぁ!?」
あまりにも唐突な条件に智史が戸惑いの声を上げた
「待ってくれよヘリオス、俺たち、これからあの島に行くんだろ。なのに何でその島から脱出するんだよ?」
「ええ、そのとおりです。
ですがあの島にはこれから先、大いなる災いが降り注ぎます。まさにアダムとイヴに与えられた『失楽園』のような裁き……、災いが。
それをかいくぐり、仲間と協力して創園島を脱出してください。
脱出方法はなんでも構いません。
ただ三日間しかタイムリミットはありません。
三日以内に脱出出来ない場合はゲームオーバー、『陥落園』とります」
どういうことかまだ慶亮には解らなかった
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