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「無理しないで!」
救急隊員の声が聞こえるがそれどころではない
「ホントに…大丈夫です。それより船は!真達は!?」
「一回落ち着け、わかった、説明するから……、一旦車の方へ。立てるかい?」
「ええ……、なんとか……」
隊員の肩を借り、なんとか立ち上がる
頭が痛い……
ゆっくりと救急車に向かう
なんとか車に辿り着き、搬送口に座り込む
毛布にくるまり、暖かいココアを渡された
「さ、飲んで。君の場合は怪我というより、体温低下からくる症状だ。体を暖めないと」
渡されたココアを一気に飲み干す
熱さなど感じなかった
ココアは海水で乾ききった喉を潤し、体を暖めてくれた
「大丈夫………そうだね、じゃあ説明するよ?」
「わかりました」
「午後17時頃に、創園島沖で地震が起こったんだ。
最近この島では微弱地震がよく起きててね………、注意報をだしておいたんだけど…。
それはともかく、君たちの船は地震で起こった津波に呑み込まれたんだ」
地震……、津波……
そうだ、あの時大きな揺れがして、津波に呑まれて……
「真達………、他の人たちは!?」
真達が心配だ
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