STAGE2 招待状

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『神堂慶亮 ・静谷区/自分の部屋 ・06時25分00秒』 ケータイのアラームが枕元で鳴り響く 布団の中から手が伸びケータイのアラームを止める しばらくするとまた布団の中から寝息が聞こえ始めた 朝はまだ寒い。まだ早い。 5分後 またしてもケータイの主は手を伸ばし騒音の原因を止めようとしたが、 時計を見て起きることを決めた。 「あーだりぃ……… まだ寝ててーよ……」 枕元をおぼつかない目つきで見渡し、眼鏡を掴み取るとおぼつかない足取りで洗面所に向かった。 まだ寝ぼけている目がまず捉えたのはボサボサの黒髪。ストパーかけてーなぁと思いつつ顔と頭を洗い、歯を磨き、ヘアーアイロンをかけ、ワックスを着けて髪を整える。 最後に眼鏡を掛け鏡を見るとそこにはまだ寝ぼけている自分がいた 「神堂 慶亮」 都内の神園高等学校に通う普通の高校2年生 バリバリの理数系で基本的にめんどくさがりやな性格である ただ今は 3年生になりたくないという一心だった。 神園高校は進学校と就職学校のハイブリッド型の学校だ 総合、情報処理は就職に向かい 進学、特進は大学進学を目標としている 慶亮はその特進コースに在学している もちろん大学受験しないといけない立場なのだか本人はその自覚がなく 特進コースにいること自体後悔していた 慶亮の両親は国家公務員だ そのためか小さい頃からいつも目指せ官僚って感じで勉強させられてきた 官僚は無理でも良い大学に進み大手の会社に入ってもらいたいと親は思っているだろう ただ慶亮は今生きがいを無くしていた 最近良い大学に入って大手会社に入ることが一番と思ったが……… 慶亮本人はそれが嫌だった なんかやりがいのある仕事をやりたい 1日中大手会社の歯車になりたくなかった
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