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――僕は狂人だ。
明確な根拠などはないが、偶にそう思う。
何時からだろう、目に映るもの全てが等しく、無価値なモノに思えてしまうようになったのは。
数年前、あるドラマが学校中で流行ったことがある。
それは、病気の少女が果敢に病に立ち向かう姿を描いた感動ドラマで、視聴率も20%を越えた大ヒット作品だった。
最終話で主人公の少女は他界してしまうという悲話なのだが、放送の翌日はクラス中その話題で持ちきりだった。
中にはラストシーンを思い出し、号泣していた子も少なくはなかったと思う。
そんなざわつくクラスの中にポツンと一人、皆の環から外れた人間がいた。
それが僕だ。
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