1220人が本棚に入れています
本棚に追加
/700ページ
なぜドラマごときでそこまで感動できるのか、僕には理解しかねた。
皆酷く滑稽に見えて心の中で嘲笑するが、その心には仲間に入れない悲しみも孕んでいた。
妬みだったのだ。
自分だけ、価値観が違う。
自分だけ、感動できない。
自らを狂人だと思う理由が有るのだとしたら、きっとこんな疎外感から来るのだろう。
今日みたいな真夏のくせに、どんよりとした曇り空の日なんかは、特にそう感じられた。
遅れて僕も、その物語の素晴らしさを知る。
しかし、遅かった。
クラスはもう別の話題で盛り上がり、ドラマの話題を振り掛けるも『何を今更』といった顔をされてしまう。
何時もだ。
何時も出遅れる。
周囲と違う異質な何か。
――一般人と違う価値観
故に今、僕は一人でいる。
最初のコメントを投稿しよう!