メタフィクションの瞳

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   早速だが、生き残る方法を考えよう。  方法1 英雄を倒す。  コレは無理、絶対不可能、出来る訳が無い。  たとえ一番弟子のカッシウスと協力し、人質を取り、気付かれないように痺れ薬を盛り、闇の儀式で暗黒の力を得て、魔力封じの結界に誘い込み、聖剣アロンダイトを用いても、英雄補正の前には何の意味もなさないだろう。  よって却下。  方法2 英雄から逃げる  コレも却下。  何故なら俺の出番が無くなるから。  英雄と出逢わなければ死ぬことは無い、だがしかしそれはこの世界に登場しないのと同義だ。  戦う以前にこの世界から消滅してしまう。  方法3 英雄を味方につける  ……やはりコレしか無いか。だとすると方法はさらに2通り。  方法3A 英雄を悪堕ちさせる。  方法3B 俺が改心する。  Aは創造主まかせ、でも俺にこんな能力を与えるようなひねくれ者な創造主だ、上手く行く可能性は十分にあり得る。  俺にとって一番理想的な結末。  Bは一番確実な方法、殺し屋の仕事を止めればいい。  ただそれだけ。  引退した殺し屋として世界に登場し、英雄と出会い、聖剣アロンダイトを渡すなり、一番弟子のカッシウスを倒すよう頼むなりするだけだ。  
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