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「って事は…今現在この世界は戦争中なのか?」
「まぁずっと睨みあいでお互い動く事なんてほとんどないけど、…一応そういう事になるね」
とんでもない時に来てしまった…、俺は心の中で激しくそう思った。
「レイとアシェリーはどっちなんだ?」
「勿論ゼクセル派だよ、でも…あまり戦争には乗り気じゃないかな」
「どうして?」
「だって…、折角ゼクセルがくれた平和だったんだもの、それを壊すなんてゼクセルに申し訳ないじゃない」
レイは笑いながらそう言う。
やっぱりゼクセルという人物のパートナーだったんだなと思わさせるような笑顔だった。
「しかし戦争か…、そんな事でも戦争になったりするんだな」
「戦争なんてものはいつだって始まりはとても小さな、どうだっていいような事から始まるのよ」
そうアシェリーが言う。
「そんなもんなのか?」
「…三百年前に起きた三年にわたる戦争だって、最初は一人の男が違う街の商品を台無しにした事から始まったって聞いた事があるわ」
確かに…、俺の世界でも戦争はいつだって小さな事から始まり、拡大していくって学校の先生が言っていた気がする。
やっぱり、揉め事が起きないように家に引きこもってるのが一番だな、うん。
誰にも迷惑かけないし、最高にすごしやすい。
インドア最高!
「あ、そう言えば…この森を守護している村ってどっちなんだ?」
「どっちって?」
「ゼクセル派か貴族派か」
「あぁ、勿論ゼクセル派だよ、じゃないとゼクセル派の私達に依頼するなんて事はないだろうしね」
まあ確かにそりゃそうだ。
「しかし…ゼクセルさんねぇ」
そんな他人の名誉を争う程までに凄い人だったのだろうか?
でもたった一人でそれだけ支持を得ていたという事はとんでもなく強く、本当に化け物みたいな強さだったのだろう。
魔王だって倒したらしいし。
チートで能力を最大限まで上げた、筋肉ムキムキの破壊神のようなボディービルダーだったんだろうな。
それにしてもゼクセル、…ゼクセル、この世界に来る前になんか聞いた事がある名前だったような…。
うん、気のせいだろう。
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