第一章 アニファイター茂

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~ 一か月前 ~ 「な…んだと」  部屋の中の椅子に座り、愛用の自作のノートパソコンを開きながら……俺はそう驚愕した。  ちょっと三分前に近頃人気の深夜放送アニメ『バイオレンス藤崎』に登場するヒロイン的美少女、『シオリン』のフィギュアがネットオークションで出品されているのを俺は発見したからだ。  その時の最高入札額は千円だったので、資金的に超余裕のある俺は一万円で入札してやった。  つまりこれが大人の力という訳ですよ。  これだけ一気に差をつければまぁ入札してこないだろうと思い、俺はちょっとお茶を汲みに向かう。  そして戻ってきたら一万一円で入札返しされていた。 「入札者ハゲろ!!」  ていうかUFOキャッチャーの賞品で一万ってこいつあほだろ。  釣りに決まってんじゃねぇか……バーカ。 「ど畜生ぉぉぉぉぉ!!」 俺 は勢いよくドアを開けて学校へと向かった。  俺の一日は朝のネットサーフィグから始まる。  健全な高校二年生の俺はとっても早起きだから、そんな事をする時間も余裕であるのだ。 「ワンッ!」 「おぉケロべロス、行ってくるぜ!」  朝は決まって、隣に住んでいる人のペットである犬が朝の挨拶をくれる。  ノートパソコンを片手にリュックを背負ってこの道を走って通るのが俺の日課(休日、祝日除く)だ。  ちなみに犬の本当の名前はポチ。  いつもと変わらない日常、いつもと変わらない日々……だからなのか、ここ最近俺は異常な現象に襲われ続けている。  それは『デジャブ』。  つい最近からなのだが……、何故か今俺が走っている事さえも、一度経験した事のあるように感じてしまう。  まぁ気色悪い事この上ないが、ポジティブな俺は今日も気にせず学校に向かう訳だ。
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