第二章 Φ-ファイ

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「さて…とりあえずこれからどうしよう?」 まず問題がそれだった、この世界で俺は一体何をすればいいのか全くわからないのだ。 例えここでどんな行動を起こしたとしても、俺の世界に帰るための手段とはならないだろう。 「うん、マジで行動するための手掛かりが全くない…」 俺がわかったのはこの世界が俺のいた世界ではないという事と、このノートパソコンが何か特別な存在という事だけ。 俺の世界に帰るための手掛かりは一切ない。 「はぁ…どうしよ」 そう悩んでいると、突然今俺がいる個室の外から声が聞こえてきた。 「いやー久しぶりに戻ってきたな」 「本当…、無事に戻ってこれてよかったわ」 「それじゃあこれから復旧作業だ!」 そんな声が外で聞こえてきた。 まずい、もしかしたらこの店の人が戻ってきたのかも知れない。 そう言えばニュースにも戦いが終了したって書いてあったし、これから復旧作業が始まるとも書いてあった気がする。 今俺には二つの選択肢がある。 一つはこっそり逃げる事。 もう一つは開き直って店の人の前に出ていく事。 恐らく後者はここに隠れていた等の事情を話せばわかってもらえるだろう。 だがしかし、 「…逃げよ」 口下手でチキン体質の俺は逃げる事を選択した。 だって結構色々と置いてあったお菓子とか飲み物食べちゃったし。 そして決断をした後の俺の行動力は自分で言うのもなんだがかなり早い。 密偵がごとく、二人の男女店員の目をかいくぐって個室から退出し、極限に研ぎ澄まされた動きと集中力でネットカフェを脱出した。 ちなみに未来予知も使用した、本当この力は今の所くだらない事にしか使ってない。
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