第二章 Φ-ファイ

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「さてっと…、どうするかな」 行くあてのない俺は適当に街をぶらぶらと歩いていた。 そしてぶらぶらと歩いていると、色々と昨日とは違う変化が見えてくる。 宇宙人との戦争が終了したからか、街は荒廃していた昨日とは想像もつかないほど賑わっているのだ。 恐らくほとんどの人が街の復旧に加担しようと戻ってきた人達なのだろう。 「あの一人一人が、今日助けてくれた女の子みたいに強いのか…」 そう考えると、俺はこの世界で誰にも喧嘩を売る事が出来ないなとか思ってしまう。 まぁ元々誰かに喧嘩を売るような真似は絶対にしないタイプの人間だが。 「とりあえず…色々見て回りながら、元の世界に帰る方法を探していくか」 それから…俺はこの世界を放浪しまくった、放浪したと言ってもこの街を中心に歩き回っただけだが。 それでわかったのが、やっぱり街の人達は復旧作業のために一時的に地上に戻ってきただけだったようだ。 主にやってる仕事は建築物の建て直しや、道端に落ちている瓦礫などの破片の掃除、それと化け物退治だった。 化け物は元もとこの世界にいない存在だったらしく、宇宙人によって散布されたらしい。 チャックをあげてくる糞ゴリラもその一匹だ。 そして人々は夜になると転送装置という物を使って基地に帰って行く、さすがファンタジーといった所だろうか。 だがそれも三日程で終了し、人々は地上で暮らしながら復旧作業をするようになった。 その間俺はカップ麺等の蓄えておいた食糧で飢えを凌ぎ、適当な場所で野宿をして過ごした。 人々が地上で暮らす前までは空いている家に勝手にお邪魔して寝てたりしてたが、そうもいかなくなった。 街がどんどん住みやすい環境へと戻って行ったからだ。 それと同時に俺はどんどん居心地の悪い場所へとなっていった。
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