第二章 Φ-ファイ

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「あぁ、心配するな…ここが俺の帰ってくる場所だから」 声の聞こえる場所を追って行くと、何やら結構な人数の男女が、これから何か作業でもするのかと言わんばかりに集まっていた。 「あ…あの子」 その中にこの前ショッピングモールで俺を助けてくれた女の子も混じっていた。 俺は咄嗟に物陰に隠れてその様子を少し離れた場所から観察した。 とりあえず水色の髪の女の子と、黒色の髪をした男が集団からちょっと離れてどこかに行くのか荷物を抱えている。 恐らくその二人の見送りに他の男女数名は集まったのだろう。 多分だけど。 「そっか…じゃあ待ってるからね、風引かないように気をつけなさいよ!」 「オッケーだ」 …会話内容からして、あの二人はどこかに旅にでも出るのだろうか? というよりここからだと色とりどりの髪の色をした見送りの人達が邪魔で、水色の髪の女の子と黒色の髪の男の子の一部分しか見えない。 そしてその二人の背後に何か渦巻いたよくわからないのがかすかに見えるが…、魔法とかいう奴だろうか? 「ていうか何で俺隠れてるんだろ?」 別に…俺には何の関係もない事だし、スルーしてもいいのだが…、この前お礼を言いそびれていたので今言っておきたいような…、でも今の身だしなみからして言いたくないような…。 「お…俺はどうすれば!?」 「スピピ」 悩んでいると俺が隠れている場所の、俺の左隣から何かよくわからない動物っぽい鳴き声が聞こえた。 「…ん、どちらさま?」 「スピスピ」 俺は夢でも見ているのだろうか? 俺のすぐ右隣にかわいらしい翼でパタパタと空を飛び、くりくりした邪気を欠片も感じない瞳に、全身もふもふとしたウサギのような肌色に近い薄茶色の毛に包まれた…。 なんか見た目ドラゴンっぽい…っていうかドラゴン、俺の頭と大きさが同じくらいの小動物が俺の視線に合わせて飛んでいた。
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