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でもこの格好で行くのもなんだし…、そもそもあの異次元空間は一体誰が開いたのだろうか?
さっき出ていった二人だろうか?
「行っちゃったね、ルクちゃん」
「うん…」
「暫らくは寂しくなるな」
くそ…どうする、せめて一回身だしなみを整えてから出直すか?
でもまた会えるなんて保証はないし…。
「見てルク、異次元空間が閉じていくよ!」
「本当だ…」
えぇ!?ちょっと待って、その口ぶりからすると異次元空間を開いたのはあの中にはいないっぽいじゃん。
って事は異次元空間を開いたのはさっきいた二人のどちらかになる。
つまり…今を逃せば、俺はこの元の世界に帰るチャンスを逃してしまう事になる。
いや…だがしかし!
これで俺が元の世界に帰れるなんて保証はどこにもない。
それならばあそこにいる人達に事情を聞いて…。
いや…だがしかしかし!
ここを逃せば俺は一生元の世界に帰れなくなる可能性がぁぁぁあ!
「だぁぁぁ!お前さっきから痛いんだよ!」
さっきから俺の隣にいるもふもふドラゴン?が俺の手をやたらとかじってくる。
やはり俺の体臭が香ばしいからなのだろうか?
でも微妙に甘噛みなのでそんなに痛い訳でもない。
「っく…どうする、どうするよ俺!?」
今ここであの異次元空間に突っ込まなければ一生後悔する…そんな気がする。
そして異次元空間は徐々にその大きさを縮めていった。
「よし、突っ込む!結構でかい賭けだが後悔するよりかはマシだぁぁぁ!!」
俺は突っ込む決意を固め、手をかじっているドラゴンを振り払おうとしたが全然離れない。
「ええぃ、離さないお前が悪い、お前も道連れじゃあ!」
そして俺は隠れるのをやめ、かじるドラゴンを右手に異次元空間に向かって猛ダッシュを開始した。
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