第二章 Φ-ファイ

42/51
前へ
/887ページ
次へ
曲名:ド…ドナドナァァァ!? 合唱:ぼっち茂と愉快な仲間達(ドラゴン?)。 作曲・作詞:茂。 ある晴れた昼下がり、異次元へと続く道。 無重力でぷよぷよと天才こと茂様を運んでいく。 もしも俺に瞬間移動が使えたり、過去に戻ったりする事ができれば、楽しいマイルームに帰れるものを…。 ドナドナドーナードーナー。 (スピスピ) 茂を乗ーせーてー。 ドナドナドーナードーナー。 (スピスピ) 茂が揺ーれーるー。 「暇だ…」 かれこれ異次元空間に来て二時間くらいが経過しようとしていた。 前回の経験で異次元空間は無重力だと言う事を知ったので、今度は勢いをつけてちゃんと進むように飛びこんだのだが…。 「全然変わらん」 進む事には進んでいるのだが一向に何か見えてくる気配がない。 「なんかかなり奥の方に光が見えるんだけどな…、全然距離が縮まらない」 今回異次元に飛びこんで新たにわかった事がある。 二時間前、異次元空間に飛びこむ時は確かに異次元空間の入り口は縮んでいた。 だが異次元空間に入って振り返ると入り口は元の大きさに戻っていたのだ。 移動しながら異次元空間の入り口を見つめていたが新たに縮む様子は見受けられなかった。 この事から、その世界に入るための異次元空間は常に開いている状態で、その世界の中からの異次元空間は徐々に閉じるという謎の性質を発見してしまった。 俺は別に研究者じゃないから詳しい事は解析できないが、簡単に言ってしまえば入るのは自由、だが出る事は出来ない…といった所だろう。 「あぁ暇だ…」 ショッピングセンターからゲームでも持ってくればよかったと少し後悔した。 一応前回とは違い、吸い込まれて徐々に進んでいる訳ではなく、結構いい感じのスピードでかなり遠くで光っている場所へと進んでいる。 無重力なので勢いが止まる事はないだろうが…、それでもやっぱりこのペースでは遅い気がする。 「かと言ってどうする事も出来ないんだよなぁ…」 俺が今出来る事と言えば…、妄想くらいだろう。
/887ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110814人が本棚に入れています
本棚に追加