第二章 Φ-ファイ

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「あぁ…空を飛んでいるスッピーが羨ましい」 とか考えていると俺の背中に衝撃が走り、視界が水の中にいるかのような揺らいだ世界へと変わった。 「げぼぼがぼ!?がばば!?」 突然の事だったので少し混乱したが、触れている物体が水だとすぐにわかったので、すぐに次の行動へと移る事が出来た。 「っぷは!」 水面へと上がり、失った体の中の空気を補充するかのように大きく深呼吸する。 空を見上げると晴々しい程の快晴、そしてくるくると回りながら空を飛ぶスッピーが見える。 そして周囲は木々に包まれていた。 「ここどこ!?」 とりあえず再び落下した先にクッションがあって助かった。 どうやらここは森?もしくはジャングルの中にあるちょっとしたオアシス的な湖のようだ。 偶然そこに落下してきたおかげで助かったようだ。 「俺って結構運いいのかもな…」 沖に上がり、空をぽーっと眺めているとスッピーがゆっくりと俺の元へと降りてきた。 「スピ!」 「てめぇ…」 スッピーの首を絞めようと思ったが、俺はそんな事よりリュックサックの中に入っているノートパソコンが気になったのでまずそっちから調べた。 水に浸かってしまったのだ、一応確認しておかないとまずい事になる。 「よかった、とりあえず大丈夫そうだな」 水に浸かってた時間も短かったし、ノートパソコンも密かにショッピングセンターから盗んできたノートパソコン用のケースに入れていたので、表面が多少濡れている程度で済んだ。 「食糧は…元々保存食品ばっかだから問題ないな、パック化してあるし」 とりあえずここはどこなのだろうか? 俺の元いた世界なのだろうか? 「とりあえずこの森を抜けないとわからないな」 だがこのままでは風邪を引く、リュックサックの中身は勿論、俺の着ている衣類まで濡れてしまっているからだ。 「とりあえずここで乾かすがてら休憩してから行くか」 それに丁度いい、俺の身だしなみもここで整える事が出来る。 「俺のくっさいこの体ともこれでおさらばだぜ!」 そして俺はパンツ一丁になり、衣類を全部湖で洗い、適当な木々に衣類を引っ掛けた後、自分の体のケアを始めた。 幸い、湖の水は飲めるほどにとても澄んでおり、空っぽになっていた水筒の補充もする事が出来た。
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