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「レイ=フォール…か、いい名前だな」
いい名前どころか、もうファンタジーのにおいしかしない名前だった。
さっき俺の名前が変わっていると言ってきたのもこれならば納得できる、純粋に文化の違いによるものだろう。
「あれ…私の名前聞いても驚かないんだ…?」
「え、何故に?」
「ううん、別に知らないのならそれでいいよ、私もそっちの方が楽だし」
若干気になったが、ここでしつこく聞いても仕方がないので詳しく聞くのをやめた。
「それで…シゲルはこんな所で何をやってたの?」
「……」
さてここで問題だ。
なんて答え返せばいいのだろう?普通に考えれば「違う世界からやってきました」なんて言えば当然のように怪しまれる事になる。
かといって他に言う事が何もない。
「…どうしたの?」
「えっと…この森に偶然迷い込んで道に迷ってただけ」
これが最も正解な答えと判断し、発言すると何故か沈黙が訪れた。
「…でもこの森は通称『守護の森』、この森に入るには森の番人がいるゲートからしか入れないはずだよ…。迷い込むなんて事はないと思うけど…」
しまった…、墓穴を掘った。
「…なんじゃその設定」
「え…?」
「い、いや何でもない」
森ごときにそんな大層な名前をつけるとは…、さすがファンタジーと納得するしかなかった。
しかしどうしよう?下手な事を言った所で襲われる事はなさそうだが…。
他に言う事が本当に見つからない。
「…怪しい」
と、俺が頭の中でひたすら悩んでいると、無口で赤髪美人のアシェリーさんが口を開いた。
「こ、こらアシェリー失礼でしょ」
「…まず、服装が怪しい」
「え?」
そう言われて俺は、自分の服装と二人の服装を見比べる。
確かに同じ国に住んでるとは思えないくらいに、服装の文化に差があった。
簡単に説明するなら俺が現代風、そして二人が中世時代風な服装をしていた。
「確かに…変かも」
「まぁ…そう言うでしょうね」
でもね、俺からしたら君達の方が変な服装なんですよ、っと声に出さないで心の中で思う。
「もしかして…不法侵入者?」
「…可能性はある」
そう言ってアシェリーは剣を抜いて俺に構えてきた。
レイも怪訝な目で俺を見始めている。
「え?不法侵入って殺されるくらい罪重かったっけ?」
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