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「もしかして前例があるのか?過去に異世界から来た人間がいるとか…」
「うぅん、ないよ」
なるほど、異世界を本当に信じているただの痛い子だったか。
ていうか何故聞いたし。
「…どうするの、レイ?」
「…うーん」
二人は結構本気で悩んでいる様子だった。
俺はその時思ったんだ、こいつら馬鹿か?…と。
「ちょっといいか?」
「…何?」
俺の体にはどんどんとある黒い感情がたまっていた…、「普通ならそこ気付くだろ!?」っと現状を見てる冷静な人達なら思い、苛々とする感情を。
これは酷すぎる、今まであらゆるアニメや漫画や小説を見て冷静な判断力と考え方を見に付けた俺からしたらこんな展開B級すぎる。
だから俺は…、
「よし、君達とりあえずいい加減にしておこうか。まずゲートとかがあるくらい危険な森にわざわざ侵入する訳がないだろう。例え侵入して目的があったとしてもせめてもっと強い人間がここに来るだろう。俺さっきここにいるモンスターから全速力で逃げてたんですよ?助けたのは誰ですか?あんたらですよ、その時点で俺が弱い事くらい気付けよ。大体にして武器を一つも所持してない時点でおかしいって思えよ。大体にして不法侵入者を出さないためのゲートじゃないのかよ?そのゲートってなんなの?役立たずの集まりなの?あんたらは天然か?マリモか?マリモッコリなのか?その割にはもっこりしてるのは胸だけだなおい。まず服装が違う時点でちょっとこの人は文化の違う国の人なんだなって思えよ。てか不法侵入者って決めつけるの早すぎだろ、もっとちゃんと調べろよ。という訳で俺は異世界からきました、キリッ!」
と言ってやりました。
ふと気付くと二人は…ポカーンっと口を開けてあほ面をしていた。
どうやら思考が回っていないようです。
「…とりあえず殺しておくか」
アシェリーさんは何を思ったのか鞘から剣を抜いて俺に再び構えてきました。
ふむ、やはり天然というのは言いすぎだったかも知れない、ちょっと反省。
「とか考えてる場合じゃないから!」
「…覚悟」
「ちょちょ!ちょっと待ってアシェリー!…シゲル、あなた本当に異世界から来たの?」
そこでレイがアシェリーを止めてくれた。
助かった、もう少しで俺の体に潜む聖水を垂れ流してしまう所だったぜ。
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