第三章 遡る思い

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「そうだと言っているでしょうが」 「何か証拠になるような物は?」 その言葉を待っていたと言わんばかりに俺はすぐさまリュックサックを地面に降ろした。 リュックサックの中ではスッピーが気持ちよさそうに眠っていたので、起こさないように慎重に中からカップ麺を取り出した。 「はい、異世界の食べ物」 やはり異世界から来たという証拠にはその世界にはない品を出すのが一番てっとり早いだろう。 相手の服装から、それほど文化のレベルが高くないのがわかる。 それならばカップ麺なんて物は見た事ないはずだ。 「確かに…この世界では見た事無い食べ物ね、でもそれだけじゃあ証拠にならないわ」 「……なるほど」 そして俺はポケットからライターを取り出した。 手に取ったライターを指でぎゅっと押して火を点けて見せる。 すると二人は突然びくついて後方に下がった。 「ま…魔法!?」 「いや違うから、火をつける異世界の道具だから」 今の口ぶりからするとこの世界にも魔法が存在するのだろうか? だが存在するにしてもこの異常な驚きっぷりはどういう事なのだろう。 「とりあえず、信じても良さそうね…」 「ようやくか…」 「手荒な真似してごめんね」 とりあえず納得してもらえたようなので、俺は出した物を荷物の中に入れた。 「それで早速なんだけど…」 「この世界に来たいきさつを聞きたいんだろ?」 「え?どうしてわかったの?」 「なんとなく…」 こういう展開になった時、次に相手がどんな事を聞いてくるかなんて大体わかる。 フラグマスターの茂様を舐めるなよ! 「――――とまぁそういう事だ」 「なるほど、空からこの森にやってきたんだね」 俺は説明がめんどくさかったので、研究所から出た後、直接この世界に来たとうまく事を繋ぎ合せて話した。 アシェリーは半信半疑な表情を浮かべていたが、レイは興味津々な表情で、話しを俺に顔を近づけて頷きながら聞いていた。
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