干物女シンパシー

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そんな『干物女』を主軸に置いたこのドラマ、多分私以外にも共感できる女性がたくさんいたのではないだろうか。 生憎私の周りに藤木直人のようなイケメンはいないが(ましてや私に思いを寄せている殿方など、どこを探してもいないだろうが)、『干物女』の『干物』っぷりは、思わず私がモデルなのでは、とスパイの存在を疑ってしまうほど、頷けるところが多かった。 綾瀬はるか演じる蛍の美人度を10割ほど削減し、乳をそぎ落とし、仕事への熱意も9割ほど減らし、思わず手を差し伸べたくなるような一生懸命で頑張り屋なところをなくせば、ちょうど私とまるっきりそっくりだ。 すーさん(前職の同僚で今はよき友人)と食事に出かけた際、彼女にそのことを話すと、彼女は確かに、と同意した。 「確かに、ゆらり。ちゃんはリアル干物女だと言わざるを得ない」 「でしょ?」 「ドラマは所詮フィクションだもん。実際の干物女は、あんなに綺麗なわけない。その点ゆらり。ちゃんは、まごうことなき、ノンフィクションな干物女だよ」 「……」 「よく家でも変な服着てるしね。ゆらり。ちゃん、こないだ遊びに行った時も、色の褪せた黄色にでっかく猫のイラストが書いてある可愛くないTシャツ着てたしね」 「あ、あれはおばあちゃんがお土産で買ってきたもので、もったいないから着てるんだよ」 「その下は名字の刺しゅう入りの蛍光緑色のジャージだったし」 「あれは中学校のジャージで、私のセンスじゃ」 「前髪もちょんまげだったし、櫛も入れてないようなぼさぼさ具合だったし」 「そっ、それは…」 「週末はいつも家にいて外出なんかほとんどしないし、当然男の影もないし。たまに出かけるのはこうして私みたいな暇を持て余した女友達ばかりで、それだってお洒落な銀座のレストランとかじゃなく、大衆居酒屋だし」 「………」 「さすがに新聞紙をかけて寝ているのは見たことないけど、うちに遊びにくるとよく、了解も得ずにうちのソファで膝掛けを布団代わりに爆睡して、そのまま朝を迎えちゃうことあるよね。○×★△※…!…*◎§◆…」 すーさんの乱れ突きは10分以上の長きに渡り、私は心に幾多の穴を空け、そして「ホタルノヒカリ2」は他人事なドラマとなった。
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